とまと日記

現在、ポスドク

Fellowshipの申請

今回はfellowshipの申請について少しだけ書きます。

ポスドクとしての海外留学でFellowshipを獲得できると、経済的なサポートが得られるだけでなく、キャリアを重ねる上での実績にもなると思います。

以下、私が申請したポスドク海外留学のためのFellowship(生命科学系)です。

 

日本学術振興会・海外特別研究員

・持田記念医学薬学振興財団 留学補助金

上原記念生命科学財団 海外留学助成

・アステラス病態代謝研究会 海外留学補助金

早石修記念海外留学助成

・EМBО Long-term fellwship

・HFSP Postdoctoral fellowship

 

その他もいろいろあります。条件は財団によって様々なので、自分が申請可能なものをできるだけ申請してみたらいいと思います。私は宝くじ感覚でたくさん申請しました(笑)。

個人的な印象としては、海外学振の申請書を頑張って書くことができれば、あとはその文章や図をうまく利用して、その他の申請書も作っていけると思います。もちろん修正・改善を重ねていければいいかと思います。

国際系のfellowshipとしては、EМBОとHFSPに申請しました。HFSPの申請書を頑張って書いて、EМBОはHFSPの文章をほぼそのまま使いました。

 

 

ここでは、EМBО fellowshipの申請と選考について簡単にまとめました。

EМBО(欧州分子生物学機構)が提供するfellowshipです。

現在はEМBО Postdoctoral fellowshipという名前になりましたが、私の時はEМBО Long term fellowshipという名前でした。

申請は年2回可能(2月と8月)です。博士取得後2年以内であれば申請可能という制限付きです。 その他もいろいろと条件があります。

申請書は他のfellowshipと同様に、留学先を選んだ動機、提案するプロジェクトの重要性、具体的な研究計画、博士課程での研究内容、これまでの業績、などを書きます。

新しいプロジェクトの計画の上、英語での申請なので、早めに準備を始めて、留学先のボスから意見をもらいながら修正を重ねることが大事だと思います。

推薦書は留学先のボスの他に2通必要でした。私は博士課程の指導教官と大学院のときにお世話になった先生にお願いしました。

 

スケジュール(私の場合)は、

博士卒業後の5月頃から申請書を書き始め → 6月末くらいから留学先のボスに見てもらう → 8月に申請書提出 → 9月末に書類選考の結果通知 → 10月に面接官決定 → 11月に面接 → 12月に結果通知 という流れでした。

 

最初の書類選考では申請者の30%程が通過し、最終選考(面接など)でその半分(15%程)が選ばれるようです。

面接は近い研究分野の人が面接官として選ばれます。自分で面接官に連絡をとり、面接の日時や方法を決めます。

私の場合はポルトガルの研究室へ行き、セミナーと面接をしました。skype面接も可能なようですが、実際に会って話す方が熱意が伝わるかと思います。

セミナーでは、(1)博士課程での研究と(2)留学先での研究計画について話しました。

私の場合は、博士課程の研究の一番の競合相手が面接官で、かなりびびりながら行きましたが、会ってみるとすごくいい人で、面接は無事終わりました。

準備は大変ですが、ついでにポルトガルの観光もできて、とてもいい経験でした。

 

ポスドク海外留学先の決定

今回は私がポスドク留学先をどうやって決めたかについて書きたいと思います。

 

私は博士課程2年の途中から、卒業後の海外留学を具体的に考え始めました。

それまでは漠然と将来海外で研究してみたいとしか思っていなかったのですが、周りの人から留学するなら早めにした方がいいよと言われたことや、単純に博士卒業後に現在のラボに雇ってもらえる保証もなかったこともあり、博士卒業後にすぐに留学することを決めました。

留学先の決め方は人それぞれあると思いますが、私の場合は、

(1)将来を見据えて自分のやりたい分野に変える、

(2)ボスの人間性

(3)妻と楽しく・安全に生活できる場所、

を特に重要視して決めました。

 

研究室の候補は、興味のある分野、学会、行きたい国、などいろいろな角度から調べてリストアップしました。その中から、とりあえず3つの研究室を選び、(1)履歴書、(2)自分の論文、(3)その研究室でやりたいことをPDFで添付し、メールを送りました。国はアメリカ・ドイツ・フランスです。

メールを送ってから毎日ドキドキして返信を待ちますが、やはりPIは忙しく、なかなか返ってきません。アメリカの研究室は割と早かったのですが、フランス・ドイツの研究室は一か月後くらいに返ってきました。完全にスルーされているかと思いきや、一か月後に返ってくるとは、逆にびっくりしました。

 

幸い、アメリカとフランスの研究室はポジティブな反応で、まずskypeで面談しようということになりました。

一番の不安要素は、私はその当時まだfirst authorの論文をpublishしておらず、preprintの論文が一本あっただけでした。ですが、特に欧米の研究者はまだpreprintの論文でもちゃんと仕事をしていると判断してくれる印象でした。

また、自分がその研究室でやりたいことをA4・1ページ程度でまとめて送ったのですが、これも好意的に見てくれていた様子でした。

 

skype面接では、志望理由や研究室でやりたいこと、現在(博士課程)の研究についての質問などを聞かれました(英語は苦手なので、英語が聞き取れないことが多々ありましたが...)。skypeの最後に、研究室を実際に見学・面接に来てと言ってもらえて、ほっとしたのを覚えています。

そして、実際に現地での面接ですが、基本的にはセミナーをやったり、研究室の人と話したり、ボスや研究室の人とご飯を食べたり、いろいろな面から総合的に判断されると思います。

すべて不安と緊張で大変でしたが、幸い2つの研究室から内定をいただきました。

2つの研究室で悩みましたが、最終的にフランスの研究室を選びました。

理由としては、

(1)フランスの研究室の方が自分のやりたい研究ができること、

(2)ボスが非常に愉快な人柄であること(学会発表で何度も笑いをとるような感じ)、

(3)ヨーロッパ内の旅行を楽しみたい・治安・食事面

などの点から決めました。

 

ちなみにスケジュールとしては、

博士3年の5月に最初のメール(履歴書など) → 5-6月に返信がくる、skype面接の調整 → 6-8月にskype面接 → 9-10月に現地での面接 → 11月に内定のメールをもらう

という流れでした。

 

現在留学から半年ほど経ちましたが、フランスのラボの方をよかったと心から思っています。また生活の様子なども書いていこうと思います。